サービス管理責任者(サビ管)になるには?実務経験・必須研修・費用などを解説

障害福祉サービスに不可欠な専門職であるサービス管理責任者サビ管)について、その役割や詳しい仕事内容なるにはどうすれば良いかを具体的に解説します。

サビ管として働くためには、定められた実務経験要件を満たし、基礎研修実践研修といった必須研修を修了することが必要です。

この記事を最後まで読むことで、サビ管の詳細な業務内容はもちろん、必要な実務経験の年数や分野研修の種類・流れ・費用、さらには活躍できる事業所の種類や平均的な給料年収まで理解できます。

介護職員からのキャリアアップを考えている方の疑問も解消します。

今の介護職としての実務経験3年で、サビ管を目指せるか知りたいな…

必要な実務経験の年数や研修の内容・流れ、費用など、この記事を読めば詳しくわかります。

この記事でわかること
  • サービス管理責任者サビ管)の具体的な役割仕事内容
  • サビ管になるために必要な実務経験の年数や分野研修の種類と流れ
  • サビ管が活躍する主な障害福祉サービス事業所と平均的な給料年収
  • 児童発達支援管理責任者児発管)との違い資格取得に関する疑問点
目次

サービス管理責任者(サビ管) 障害福祉サービスを支える専門職

障害福祉サービスを提供する現場において、サービス管理責任者(通称:サビ管)は、利用者の方への個別支援計画作成を中心に、質の高いサービス提供を実現するための重要な役割を担っています。

サビ管の具体的な役割、事業所での必要性、不在の場合の影響、そして介護職員からのキャリアパスとしての魅力について詳しく見ていきましょう。

これらの点の理解は、障害福祉サービスの質を担保し、利用者へより良い支援を届けるための第一歩となります。

サービス管理責任者(サビ管)とは 何をする人か

サービス管理責任者(サビ管)とは、障害のある方の個別支援計画を作成し、関係者と連携しながらサービス提供プロセス全体を管理する専門職のことです。

具体的には、利用者やその家族からのアセスメント(相談・情報収集・課題分析)を通じてニーズを把握し、それに基づいた個別支援計画の原案を作成します。

その後、サービス担当者会議を開催し、多職種(医師、看護師、介護職員、相談支援専門員など)と協議の上で計画を決定し、利用者へ説明・同意を得て交付するのです。

計画実行後も、モニタリング(定期的な状況確認と評価)を行い、必要に応じて計画の見直しを行います。

サビ管って具体的にどんな仕事をするの?

利用者さんの状況や希望を詳しく聞き、最適なサポート計画を立て、関係者と協力して実行していく、チーム支援の司令塔のような役割ですよ。

サビ管は、質の高い障害福祉サービスを提供するために不可欠な存在です。

なぜ必要? 事業所におけるサビ管の配置義務

サビ管が必要とされる最大の理由は、質の高い個別支援を提供し、障害者総合支援法に基づく人員配置基準を満たすためです。

法律では、特定の障害福祉サービスを提供する事業所に対して、利用者数に応じたサビ管の配置が義務付けられています。

サビ管がいることで、利用者一人ひとりのニーズに合わせた、個別性の高い支援計画が作成・実行され、サービスの質が保証されるのです。

以下の表は、サビ管の配置が義務付けられている主なサービス種別です。

うちの施設にも必要なのかな?

提供しているサービスの種類によって配置義務があります。多くの事業所にとって、サビ管は運営に必須の重要なポジションです。

このように、多くの障害福祉サービス事業所にとって、サビ管は法令遵守とサービス品質維持の両面から必要不可欠な職種です。

サビ管不在による事業運営への影響 ペナルティの可能性

もし、配置が義務付けられている事業所でサビ管が不在となった場合、事業所運営に深刻な影響が及ぶ可能性があります。

最も直接的な影響は、人員欠如減算です。

これは、定められた人員配置基準を満たせない場合に、国保連から事業所に支払われるサービス提供の対価(報酬)が減額されるペナルティを指します。

減算が適用されると、事業所の収益が大幅に減少し、経営を圧迫することになります。

さらに、サビ管不在の状態が続くと、サービスの質が低下する恐れがあります。

個別支援計画の作成や更新が滞り、利用者への適切なサービス提供が困難になる可能性があるのです。

行政による指導や監査の対象となり、改善が見られない場合は、指定の効力停止や、最悪の場合、事業所の指定取り消しといった重い行政処分を受けるリスクも考えられます。

もしサビ管がいなくなったらどうなるの?

報酬が減らされたり、行政から指導を受けたりと、事業所運営に大きな影響が出る可能性があります。サービスの質も維持できなくなるかもしれません。

サビ管の確保は、安定した事業所運営と質の高いサービス提供を継続するために、極めて重要です。

介護職員からのキャリアアップとしての魅力

介護職員として現場経験を積んできた方にとって、サビ管は専門性を高め、キャリアアップを実現するための有力な選択肢です。

日々のケアで培った利用者理解やコミュニケーション能力、多職種との連携経験は、サビ管の業務に直結する強みです。

サビ管になることで、個別支援計画の作成という、より専門的で裁量の大きい業務に携われるようになり、利用者一人ひとりの人生に深く関わるやりがいを感じられるでしょう。

待遇面でも魅力があります。

厚生労働省の調査(令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果)によると、常勤のサビ管の平均給与額(月額)は約31万9千円であり、他の介護・福祉系職種と比較しても高い水準にあります。

責任は重くなりますが、それに見合う報酬と専門職としての充実感を得られる可能性が高いです。

介護職からのステップアップとして考えられる?

もちろんです。現場での経験を活かして、利用者さんの支援計画全体を考え、より専門的な立場で支援に関われる道です。

サビ管を目指すことは、介護職員としての経験を土台に、専門性と待遇の両面でステップアップを図るための価値ある挑戦です。

サービス管理責任者(サビ管)になるための要件 実務経験と必須研修

サービス管理責任者(サビ管)として活躍するためには、実務経験と必須研修の両方を満たすことが最も重要です。

具体的には、定められた実務経験ルートの確認を行い、必要な経験年数業務分野を理解した上で、基礎研修実践研修、そして定期的な更新研修を受講する必要があります。

研修の難易度費用・期間留意点も把握しておきましょう。

これらの要件を一つずつクリアしていくことが、サビ管への道を開きます。

実務経験ルートの確認 必要な経験年数と対象業務

サビ管になるためには、まず一定期間の実務経験が求められます。

必要な経験年数は、従事する業務内容や保有資格によって異なり、大きく分けて相談支援業務と直接支援業務のルートがあります。

例えば、相談支援業務であれば5年以上、有資格者の直接支援業務であれば最短3年から5年程度の経験が必要となるケースが多いです。

ご自身の経歴がどのルートに該当するか、しっかり確認することが最初のステップとなります。

介護職3年目なのですが、私でも目指せるのでしょうか?

はい、直接支援業務の経験としてカウントされます。必要な年数や他の要件については、これから詳しく見ていきましょう

最終的には、お住まいの自治体(都道府県)が定める要件を確認することが重要です。

必要な実務経験の分野 介護 地域生活 就労など

サビ管に必要な実務経験は、特定の分野における支援経験です。

具体的には、以下の分野での実務経験が認められています。

ご自身の経験がどの分野に該当するか確認しましょう。

スクロールできます

これらの分野での実務経験が、サビ管としての土台となります。

基礎研修の内容と受講の流れ

基礎研修は、サービス管理責任者として必要な基本的な知識や技術を学ぶための、最初のステップとなる研修です。

研修では、障害福祉サービスの基本的な考え方、個別支援計画の作成プロセス(アセスメント、計画作成、モニタリング)、関係機関との連携方法などを学びます。

受講の流れは、まずお住まいの都道府県のホームページなどで研修日程を確認し、申し込みを行います。

受講が決定したら、指定された日時に講義や演習形式の研修に参加し、全ての課程を修了することで基礎研修修了となります。

期間は都道府県により異なりますが、合計で15時間程度が一般的です。

費用も数万円程度かかることが多いですが、自治体によっては補助が出る場合もあります。

近年はオンラインで実施されることも増えています。

研修って、具体的にどんなことを学ぶんですか?

利用者理解や個別支援計画作成の基本、多職種連携の重要性などを、講義やグループワークを通して学びますよ

まずは基礎研修を修了することが、サビ管への第一歩です。

実践研修の受講資格と研修内容

実践研修は、基礎研修を修了し、原則としてサビ管や児発管(児童発達支援管理責任者)の業務に個別支援計画作成担当者として2年以上従事した方(OJT期間)が受講する、より専門性を高めるための研修です。

実践研修では、基礎研修で学んだ内容を土台に、より複雑な事例を用いた演習、チームマネジメント、人材育成、地域連携の実践的な手法などを学びます。

基礎研修修了後すぐに受講できるわけではなく、実務経験(OJT)を積むことが受講資格となる点に注意が必要です。

この研修を通じて、現場で即戦力として活躍できる応用力を身につけることができます。

更新研修の必要性 5年ごとの受講義務

サビ管として資格を維持し、専門性を保ち続けるためには、5年ごとに更新研修を受ける必要があります。

この更新制度は、障害福祉サービスを取り巻く状況の変化や制度改正に対応し、サビ管の質の向上を図る目的で、2019年度から導入されました。

研修では、最新の制度動向、困難事例への対応方法、質の高いサービス提供のための知識・技術などを学びます。

5年間の有効期間内に更新研修を受講しない場合、サビ管としての任用資格を失うため、計画的な受講が不可欠です。

研修の難易度と取得にかかる費用・期間の目安

研修自体に合格・不合格を判定する試験はありませんが、講義の受講態度やグループワークへの参加状況、課題の提出などが評価されます。

多くの受講者からは、日々の業務と並行して研修時間を確保することや、課題作成が大変だったという声も聞かれます。

しかし、研修を通して最新の知識を学べ、他の事業所のサビ管と交流できる良い機会になったという意見も多いです。

費用は、基礎研修と実践研修、更新研修を合わせて数万円から十数万円程度かかることが一般的ですが、自治体や実施主体により異なります。

期間は、実務経験年数を満たしてから基礎研修、OJT(2年)、実践研修と進むため、最短でも実務経験に加えて2年数ヶ月はかかります。

研修受講に関する留意点 最新情報の確認先(例 厚生労働省や都道府県HP)

サビ管の研修要件や内容は、国の示すガイドラインに基づきつつも、最終的な実施方法や日程、費用、申し込み方法は都道府県によって異なります

特に、実務経験の具体的な対象範囲や年数計算、研修の開催頻度やオンライン実施の有無などは、必ずご自身が所属する事業所のある、または今後働きたいと考えている都道府県の障害福祉主管課のホームページや研修実施機関の情報を確認するようにしましょう。

厚生労働省のウェブサイトでも関連情報が公開されていますが、最新かつ詳細な情報は各都道府県から発信されます。

制度は改正されることもあるため、常に最新の情報をチェックすることが大切です。

サービス管理責任者(サビ管)の仕事内容と役割 活躍の場と待遇

サービス管理責任者(サビ管)の業務は多岐にわたりますが、最も重要なのは個別支援計画の作成と、それに基づいた支援の管理です。

この計画は、利用者の方一人ひとりの希望や状況に合わせた、いわば支援の設計図となります。

サビ管の仕事内容を具体的に見ていくと、中心となる個別支援計画作成のプロセスから始まり、支援チームをまとめる多職種連携現場スタッフへの指導などが挙げられます。

また、サビ管の1日のスケジュールや、仕事におけるやりがいと大変さ、どのような障害福祉サービス事業所で活躍できるのか、給料・年収の目安、そして求人の探し方についても解説します。

サビ管は、利用者の方に質の高いサービスを提供するための調整役であり、専門性を活かして多方面で活躍できる職種といえます。

中心業務 個別支援計画の作成プロセス(アセスメントからモニタリングまで)

個別支援計画作成におけるアセスメントとは、利用者の方やご家族から、生活状況、意向、課題などを詳しく聞き取り、客観的に評価することを指します。

そしてモニタリングは、計画に基づいて提供されている支援が適切か、目標達成に向けて進んでいるかを定期的に確認・評価する作業です。

サビ管は、このアセスメントからモニタリングまでの一連のプロセスに責任を持ちます。

STEP
アセスメント

利用者・家族との面談、情報収集、課題分析

STEP
個別支援計画(原案)作成

アセスメントに基づき、目標設定、支援内容を具体化

STEP
サービス担当者会議

関係者(本人、家族、支援スタッフ等)で計画内容を協議

STEP
個別支援計画の決定・交付

合意形成後、計画を利用者・家族へ説明し交付

STEP
モニタリング

定期的な状況確認、計画と実際のズレの評価

STEP
計画の見直し・修正

モニタリング結果に基づき、必要に応じて計画を更新

個別支援計画って、具体的にどんなことを書くのですか?

利用者の方の希望する生活、解決したい課題、具体的な支援目標、提供するサービス内容、関係機関との連携方法などを盛り込みます。

このプロセスを継続的に回すことで、利用者の方の状態や意向の変化に対応し、常にその人にとって最善の支援を目指すことがサビ管の中心業務となります。

チーム支援の要 多職種連携と関係機関との調整

サビ管は、利用者の方を中心とした支援チームの「要」となる存在です。

質の高いサービス提供のためには、事業所内外の多様な専門職や関係機関との円滑な連携が不可欠となります。

事業所内の介護職員や生活支援員はもちろんのこと、外部の医師、看護師、リハビリ専門職(作業療法士など)、地域の相談支援専門員、ハローワークなどの就労支援機関、場合によっては教育機関など、連携先は多岐にわたります。

サビ管は、これらの関係者と情報を共有し、それぞれの専門性を活かした支援が効果的に行われるよう調整役を担うのです。

この連携・調整能力は、サビ管にとって非常に重要なスキルです。

関係機関との情報交換や会議への参加を通じて、利用者の方にとって最適な社会資源の活用方法を探ることも、サビ管の大切な役割の一つです。

現場スタッフへの助言 指導

サビ管は、個別支援計画を作成するだけでなく、その計画に基づいた支援が現場で適切に実施されるよう、介護職員や生活支援員といったスタッフへ助言や指導を行う役割も担います。

計画の意図や支援のポイントを伝え、具体的な関わり方についてアドバイスすることが求められます。

OJT(職場内訓練)などを通じて、スタッフのスキルアップを支援することも重要な業務です。

平成29年の調査研究報告書によると、サビ管の約7割がOJTを実施していると回答しています。

一方で、その効果について「十分に感じている」と自己評価したサビ管は5.3%にとどまり、技術指導の方法や効果測定に課題を感じている様子もうかがえます。

現場スタッフへの指導って、具体的にどんなことをするのですか?

例えば、個別支援計画の目標達成に向けた具体的な声かけの方法や、利用者の方の特性に合わせた介助方法、記録の書き方などをアドバイスします。

スタッフ一人ひとりの専門性を高め、チーム全体の支援の質を向上させることが、サビ管に期待される役割です。

サビ管の1日のスケジュール例

サビ管の1日は、事業所の種類やその日の予定によって大きく変わりますが、一般的な流れの例を紹介します。

会議や面談、書類作成、関係機関との連絡調整など、多様な業務をこなしています。

一日のスケジュール例
9:00 – 9:30

出勤、メールチェック、夜勤スタッフからの申し送り確認

9:30 – 10:00

スタッフとの簡単な打ち合わせ、情報共有

10:00 – 12:00

個別支援計画の作成、モニタリング報告書の作成

12:00 – 13:00

休憩

13:00 – 14:00

利用者の方との面談(アセスメントやモニタリング)

14:00 – 15:00

サービス担当者会議への参加

15:00 – 16:30

関係機関(相談支援事業所、医療機関など)への連絡・調整

16:30 – 17:30

スタッフへの助言・指導、記録業務

17:30 – 18:00

明日の準備、退勤

このスケジュールはあくまで一例です。

緊急の対応が入ったり、事業所外での業務(訪問や会議出席)があったりすることも多く、臨機応変な対応力が求められる仕事です。

仕事のやりがいと大変さは?現役サビ管の声を紹介

サビ管の仕事には、大きなやりがいがある一方で、大変な側面もあります。

やりがいとしては、利用者の方の生活がより良い方向へ変化していく過程を間近で支えられること、目標達成に向けて多職種と協力し、チームで成果を出せたときの達成感などが挙げられます。

個別支援計画がうまく機能し、利用者の方やご家族から感謝されたときも、この仕事ならではの喜びを感じる瞬間でしょう。

一方、大変さとしては、多くの関係者との調整業務に時間と労力がかかること、個別支援計画作成やモニタリング記録などの書類作成業務が多いことが挙げられます。

利用者の方やご家族の多様なニーズに応える難しさや、緊急時の対応、制度や基準の変更へのキャッチアップなども負担に感じる場合があります。

「サビ管 きつい」といった声が聞かれるのも事実です。

平成29年の調査研究報告書では、サビ管自身の業務遂行度に関する自己評価が、管理者の期待に比べて低い傾向が見られ、業務の難しさや責任の重さを感じている様子がうかがえます。

サビ管って、やっぱり大変な仕事なんですね…

責任は重いですが、利用者の方の成長や目標達成を支援できる、非常にやりがいのある仕事ですよ。

困難なこともありますが、それを乗り越えたときの達成感や、専門職としての成長実感が、サビ管を続けるモチベーションになっています。

サビ管の主な勤務先は?活躍できる障害福祉サービス事業所の種類

サービス管理責任者(サビ管)は、障害者総合支援法に基づき、特定の障害福祉サービスを提供する多くの事業所で配置が義務付けられています。

そのため、活躍の場は非常に広いです。

これらの事業所では、質の高いサービス提供体制を確保するために、サビ管の配置基準が定められています。

自分の興味や経験に合わせて、活躍したいサービス種別や事業所を選ぶことができます。

給料・年収の目安は?厚生労働省の調査結果を紹介

サビ管の給料や年収は、キャリアアップを考える上で気になる点です。

厚生労働省が実施した「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果」によると、常勤のサービス管理責任者の平均給与額(月額)は319,136円でした。

この金額は、基本給に加えて各種手当(資格手当、役職手当、時間外手当など)を含んだ額と考えられます。

年収に換算すると、単純計算で約383万円となりますが、賞与(ボーナス)が加われば、年収400万円を超えるケースも十分に考えられます。

他の職種と比較すると、同調査での常勤の平均給与額は、生活支援員が270,103円、グループホームの世話人などが199,267円となっています。

これらの職種と比較して、サビ管の給与水準は高い傾向にあります。

ただし、給与額は勤務先の事業所の規模、運営法人、地域、そしてご自身の経験年数によって異なります。

あくまで平均的な目安として参考にし、実際の求人情報を確認することが重要です。

求人情報の見つけ方

サビ管の求人情報は、いくつかの方法で見つけることができます。

自分に合った探し方で、積極的に情報を集めることが大切です。

求人サイトで検索する際は、「サービス管理責任者」「サビ管」といった職種名のほか、「個別支援計画」「障害福祉サービス」などのキーワードや、希望する勤務地(市区町村名など)、サービス種別(「グループホーム」「就労移行支援」など)を組み合わせて検索すると、効率的に情報を探せます。

「サビ管 未経験 募集」といったキーワードで、研修体制が整っている求人を探す方法もあります。

応募する際は、給与や待遇だけでなく、事業所の理念や支援方針、研修体制、職場の雰囲気なども確認することをお勧めします。

サービス管理責任者(サビ管)への理解を深める 児発管との違いと次の行動

サービス管理責任者、通称「サビ管」は、障害福祉サービスにおいて個別支援計画の作成や関係機関との連携調整などを担う、非常に重要な専門職です。

介護職からのキャリアアップを目指す方にとっても魅力的な選択肢となります。

ここでは、よく似た職種である児童発達支援管理責任者(児発管)との違い、サビ管の資格としての位置づけ管理者との兼務の可否、陥りやすい誤解、ご自身の実務経験が要件を満たすかの確認方法、そしてサビ管を目指すための具体的な最初のステップについて詳しく解説していきます。

これらの情報を理解することで、サビ管という仕事への理解を深め、ご自身のキャリアプランを考える上での具体的な行動へと繋げることができます。

似ている職種 児童発達支援管理責任者(児発管)との違い

サビ管とよく比較される職種に、児童発達支援管理責任者(児発管)があります。

児発管は、障害のある18歳未満の児童に対して、個別支援計画を作成し、適切な支援を提供する役割を担う専門職です。

サビ管が主に成人(18歳以上)の障害者を対象とするのに対し、児発管は児童を対象としている点が最も大きな違いとなります。

配置される事業所も異なり、サビ管は生活介護やグループホーム、就労移行支援事業所などに、児発管は児童発達支援センターや放課後等デイサービスなどに配置されます。

必要な実務経験の内容や研修体系もそれぞれ異なります。

名前は似てるけど、何が違うの?

対象となる方の年齢が大きく違います

スクロールできます

どちらの職種も、利用者一人ひとりに合わせた質の高い支援を提供するために不可欠な存在です。

サビ管は国家資格? 任用要件としての位置づけ

「サビ管は資格なの?」という疑問をよく聞きますが、サビ管は国家資格ではありません

医師や看護師、介護福祉士のような国家試験に合格して取得する「資格」とは異なり、サビ管は特定の障害福祉サービス事業所等において、その職務(サービス管理責任者)に就くために必要とされる「任用要件」として位置づけられています。

この要件は、定められた分野での一定期間の実務経験と、指定された研修(基礎研修・実践研修)を修了することで満たされます。

資格試験に合格しないとなれないの?

試験ではなく、実務経験と研修修了で要件を満たします

したがって、「サビ管の資格を取る」というよりは、「サビ管になるための要件を満たす」という表現がより正確です。

サビ管と管理者の兼務について

事業所の「管理者」(施設長など)と「サービス管理責任者(サビ管)」は、それぞれ異なる役割を担っています。

管理者は事業所全体の運営管理や職員の労務管理などを担当し、サビ管は主に個別支援計画の作成・管理や関連機関との連携を担当します。

ただし、特に共同生活援助(グループホーム)のような小規模な事業所などでは、人員配置基準を満たす範囲内で、管理者がサビ管の業務を兼務することが認められています

兼務が可能かどうかは、事業所のサービス種別や規模、地方自治体の判断によって異なる場合がありますので、個別の確認が必要です。

管理者もサビ管も同じ人がやってる施設を見たけど…

事業所の規模によっては、兼務が認められています

役割は異なりますが、現場の実情に合わせて柔軟な人員配置が行われているケースも存在します。

よくある誤解とその解説

サビ管については、役割や要件に関して誤解されている点も少なくありません。

ここでは、よくある誤解とその解説をまとめます。

サビ管って、書類作りだけが仕事じゃないの?

利用者さんや関係機関との連携、スタッフへの助言も大切な仕事です

これらの点を正しく理解しておくことが、サビ管を目指す上で重要になります。

自分は要件を満たす? 実務経験の確認方法

サビ管を目指す上で、ご自身のこれまでの実務経験が、定められた要件を満たしているかを確認することが最初の重要なステップです。

確認すべきポイントは、主に①どの分野の業務に(相談支援業務、直接支援業務など)、②どれくらいの期間従事したか、そして③保有している資格(社会福祉士、介護福祉士など国家資格等の有無)です。

これらによって、必要とされる実務経験年数が異なります。

正確な情報を確認するためには、まず過去に勤務していた(または現在勤務している)事業所に「実務経験証明書」の発行を依頼しましょう。

その上で、お住まいの都道府県の障害福祉主管課のウェブサイトや担当窓口で、最新の「サービス管理責任者の実務経験要件」に関する情報を確認することが確実です。

自治体によって解釈や様式が若干異なる場合もあるため、必ずご自身が研修を受講する(または勤務する)自治体の情報を参照してください。

私の今の経験で、サビ管を目指せるかな…?

まずはご自身の職務経歴を整理し、自治体の情報を確認してみましょう

ご自身の経歴を客観的に把握し、公的な情報と照らし合わせることが、サビ管への道筋を具体的に描くための第一歩となります。

サビ管を目指すための最初のステップ

サビ管になりたいと考え始めたら、まずは具体的な情報収集と現状確認から始めましょう。

具体的な行動としては、以下の3つのステップをお勧めします。

STEP
都道府県の情報を確認する

お住まいの(または勤務を希望する)都道府県の障害福祉主管課のウェブサイトを定期的にチェックします。

サビ管になるために必須となる基礎研修や実践研修の開催日程、申込方法、受講要件などの最新情報が掲載されています。

STEP
求人情報を検索してみる

ハローワークのインターネットサービスや、福祉分野に特化した求人・転職サイトで「サービス管理責任者」「サビ管」といったキーワードで検索してみましょう。

どのような事業所(生活介護、就労支援、グループホームなど)で募集があるのか、具体的な業務内容、給与・待遇、求められる経験などを知ることで、働くイメージがより具体的になります。

STEP
身近な人に相談してみる

もし現在の職場にサビ管がいれば、仕事内容や研修のことなど、直接話を聞いてみるのが一番です。

また、上司や同僚にキャリアプランとしてサビ管を目指したい旨を相談してみるのも良いでしょう。

必要な経験を積むための配置転換などを考慮してもらえる可能性もあります。

サビ管になりたいと思ったら、まず何をすればいい?

情報収集と、ご自身の経験の確認から始めましょう

これらのステップを通じて、サビ管になるための道筋を具体化し、計画的に準備を進めていくことが大切です。

よくある質問(FAQ)

サービス管理責任者(サビ管)の研修にはどのくらいの費用と期間がかかりますか?

サービス管理責任者(サビ管)になるための研修(基礎研修・実践研修)にかかる費用は、実施する都道府県や研修機関によって異なりますが、数万円程度が一般的です。期間については、基礎研修が15時間程度、実践研修が14.5時間程度ですが、基礎研修修了後、実践研修を受講するまでには原則2年以上の実務経験(OJT)が必要です。そのため、実務経験要件を満たしてからサビ管として正式に配置されるまで、最短でも2年数ヶ月はかかると考えてください。オンラインで受講できる研修も増えています。

サービス管理責任者(サビ管)の研修や仕事は難しいですか?「きつい」と聞くこともありますが…

研修自体に試験はありませんが、講義や演習、レポート課題などがあり、修了するためには真剣に取り組む必要があります。仕事内容としては、個別支援計画の作成、多職種との連携調整、利用者や家族との面談、現場スタッフへの助言など多岐にわたり、責任も大きいため、「きつい」「大変」と感じる場面は確かにあります。しかし、専門性を活かして利用者の生活を直接支援できる、非常にやりがいのある仕事です。

現在、介護職員として3年目です。サービス管理責任者(サビ管)になるための実務経験の要件を満たしているか、どうすれば確認できますか?

介護職員としての経験は、サービス管理責任者(サビ管)に必要な「直接支援業務」の実務経験として認められる可能性が高いです。ただし、必要な経験年数は、保有資格(介護福祉士など)の有無や、どのような施設(生活介護、グループホームなど)でどのような業務内容に従事したかによって異なります。正確な確認のためには、まず勤務先に「実務経験証明書」の発行を依頼し、その上で、お住まいの都道府県の障害福祉主管課が公開している最新の「実務経験要件」に関する情報を確認することが最も確実です。

サービス管理責任者(サビ管)と児童発達支援管理責任者(児発管)の違いは何ですか?兼務は可能ですか?

サービス管理責任者(サビ管)は主に18歳以上の障害のある方を対象とし、障害者総合支援法に基づくサービス(生活介護、就労移行支援など)を提供する事業所に配置されます。一方、児童発達支援管理責任者(児発管)は主に18歳未満の障害のある児童を対象とし、児童福祉法に基づくサービス(児童発達支援、放課後等デイサービスなど)を提供する事業所に配置されます。対象者と根拠法、配置される事業所が主な違いです。管理者との兼務については、事業所の種類や規模、自治体の基準により認められる場合がありますが、サビ管と児発管の兼務要件は複雑なため、詳細は都道府県への確認が必要です。

サービス管理責任者(サビ管)の求人は未経験でも応募できますか?給料はどのくらいですか?

サービス管理責任者(サビ管)の募集の中には、「実務経験要件を満たしていればサビ管経験不問」や「基礎研修修了者可(実践研修は法人負担で受講支援)」といった求人も存在します。未経験から採用され、働きながら実践研修の要件を満たすケースもあります。給料については、厚生労働省の令和4年度調査によると、常勤サビ管の平均月給は約31万9千円です。年収にすると、賞与を含め400万円を超えることも期待できますが、勤務先の施設の種類や地域、経験によって異なります。求人を探す際は、福祉専門の求人サイトやハローワークを活用し、「サビ管 未経験」などのキーワードで検索してみると良いでしょう。

サービス管理責任者(サビ管)になった後も、研修を受ける必要はありますか?

はい、サービス管理責任者(サビ管)として働き続けるためには、5年ごとに更新研修を受講することが義務付けられています。これは、最新の制度改正に対応し、専門性を維持・向上させるためです。有効期間内に更新研修を修了しないと、サビ管としての資格(任用要件)を失うことになりますので、計画的な受講が必要です。研修内容は、国の動向や新たな支援手法など、質の高いサービス提供に必要な知識・技術が中心となります。

まとめ

この記事でわかること
  • サビ管は、利用者一人ひとりの個別支援計画を作成し、関係機関と連携する重要な専門職
  • なるには定められた分野での実務経験と、基礎研修・実践研修の修了が必須
  • 介護職からのキャリアアップとして目指せ、専門性とやりがいのある職種

この記事では、障害福祉サービスに不可欠なサービス管理責任者(サビ管)について、その役割、なるための要件、仕事内容、給料などを網羅的に解説しました。

あなたがサビ管という仕事に関心を持ち、ご自身のキャリアとして考え始めたのでしたら、まずはこの記事で解説した実務経験の要件をご自身の経歴と照らし合わせ、お住まいの自治体が提供する研修情報を確認することから始めてみてください。

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